診療科目別 損益モデル

小児科クリニック開業の
収支はこう組み立てる

乳幼児健診・予防接種・一般外来の3本柱で運営する小児科クリニックの標準モデルです。キッズスペース・隔離待合を備えたテナント開業(30坪)を想定しています。

想定月商(安定期)
550万円
単価5,000円 × 50人/日 × 22日
開業資金の目安
6,100万円
内装工事は坪90万円で算定
損益分岐点
29人/日
これを超えた患者数が利益になる
資金計画

開業資金の目安 ── 6,100万円

テナント開業・約30坪を想定。内装工事費は坪単価90万円で算定しています。自己資金2割+金融機関借入8割(約4,900万円・10年返済)が標準的な調達構成です。

項目金額
内装工事費(約30坪 × 坪90万円)設計監理料含む概算2,700万円
医療機器(吸入器・検査機器 等)中古・リース併用で圧縮可能800万円
電子カルテ・什器・備品レセコン・待合家具等500万円
敷金・保証金・仲介手数料敷金保証金(家賃8〜10ヶ月)+仲介手数料等380万円
運転資金立ち上がり期6ヶ月分の固定費1,400万円
広告宣伝・採用・開業諸費用内覧会・求人・各種手続費用320万円
開業資金 合計6,100万円
収益モデル

月商の組み立て方

クリニックの月商は「診療単価 × 1日患者数 × 月間診療日数」のかけ算です。小児科クリニックの標準値で計算すると以下のとおりです。

平均診療単価
5,000円
×
1日平均患者数
50人
×
月間診療日数
22日
=
想定月商
550万円
月次損益

月次損益モデル(安定期・開業2〜3年目)

個人開業・テナント・院外処方を前提とした、安定期の標準的な月次損益です。

科目月額対月商比
医業収入550万円100.0%
医薬品・材料費(ワクチン仕入含む)予防接種ワクチンの仕入が中心60万円10.9%
人件費看護師2〜3名・医療事務2名130万円23.6%
地代家賃30坪テナント38万円6.9%
検査委託費迅速検査・外注検査15万円2.7%
リース料機器の一部リース10万円1.8%
減価償却費内装(15年)・機器(6年)33万円6.0%
広告宣伝費WEB予約システム・SNS等10万円1.8%
その他経費水道光熱・通信・消耗品・保険等45万円8.2%
経費合計341万円62.0%
営業利益(院長報酬・税引前)209万円38.0%
院長の手取りキャッシュの目安(税引前)
営業利益 209万円 + 減価償却費 33万円 − 借入返済 約44万円 = 月 約198万円
※ここから所得税・住民税・国保/医師国保等が差し引かれます。
損益分岐点

1日29人が「黒字の壁」

固定費(人件費・家賃・償却等)を回収できる患者数が損益分岐点です。小児科クリニックの本モデルでは月631人、1日あたり約29人。開業後は「まずこのラインまで何ヶ月で到達するか」が事業計画の核心になります。

1日あたり患者数(0〜65人)
損益分岐点 29人
安定期目標 50人
立ち上がり期(開業6〜12ヶ月)は分岐点を下回るのが通常です。その間の赤字を支えるのが運転資金(1,400万円)です。
経営の要点

小児科開業 成功のポイントとリスク

成功のポイント

  1. 予防接種と乳幼児健診は季節変動の少ない安定収益源です。自治体の集団健診・園医の受託も含め、外来以外の柱を早期に作ることが重要です。
  2. WEB予約・順番待ちシステムは小児科では事実上の必須投資です。「待たせない仕組み」が口コミと再診率を直接左右します。
  3. 保護者(母親)向けの情報発信(SNS・ブログ)が新規来院の最大の入口になります。開業前からの発信開始が効果的です。

注意したいリスク

  1. 冬季(感染症流行期)と夏季で患者数が2倍以上変動します。年間平均で損益分岐点を超えても、夏場の資金繰りが苦しくなる構造です。
  2. 少子化により診療圏内の小児人口は長期的に減少します。診療圏調査では現在の人口だけでなく10年後の年少人口推計の確認が不可欠です。
  3. ワクチンは仕入額が大きく、在庫管理・期限管理の失敗がそのまま損失になります。

この数字を、先生の計画に置き換えてみませんか

本ページのモデルはあくまで標準値です。立地・坪数・スタッフ構成・診療方針が変われば、損益は大きく変わります。湯沢会計事務所は医業経営支援30年超の実績をもとに、事業計画書の作成、日本政策金融公庫・銀行からの資金調達、保健所・厚生局の開業手続まで一貫してサポートします。開業前のご相談は無料です。

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