診療科目別 損益モデル

皮膚科クリニック開業の
収支はこう組み立てる

保険診療を軸に、美容皮膚科(自由診療)の上乗せ余地を持つ皮膚科クリニックの標準モデルです。設備投資が比較的軽く、20坪のコンパクトなテナント開業を想定しています。

想定月商(安定期)
543万円
単価3,800円 × 65人/日 × 22日
開業資金の目安
4,200万円
内装工事は坪90万円で算定
損益分岐点
31人/日
これを超えた患者数が利益になる
資金計画

開業資金の目安 ── 4,200万円

テナント開業・約20坪を想定。内装工事費は坪単価90万円で算定しています。自己資金2割+金融機関借入8割(約3,400万円・10年返済)が標準的な調達構成です。

項目金額
内装工事費(約20坪 × 坪90万円)設計監理料含む概算1,800万円
医療機器(顕微鏡・液体窒素・光線治療器 等)中古・リース併用で圧縮可能600万円
電子カルテ・什器・備品レセコン・待合家具等400万円
敷金・保証金・仲介手数料敷金保証金(家賃8〜10ヶ月)+仲介手数料等350万円
運転資金立ち上がり期6ヶ月分の固定費800万円
広告宣伝・採用・開業諸費用内覧会・求人・各種手続費用250万円
開業資金 合計4,200万円
収益モデル

月商の組み立て方

クリニックの月商は「診療単価 × 1日患者数 × 月間診療日数」のかけ算です。皮膚科クリニックの標準値で計算すると以下のとおりです。

平均診療単価
3,800円
×
1日平均患者数
65人
×
月間診療日数
22日
=
想定月商
543万円
月次損益

月次損益モデル(安定期・開業2〜3年目)

個人開業・テナント・院外処方を前提とした、安定期の標準的な月次損益です。

科目月額対月商比
医業収入543万円100.0%
医薬品・診療材料費外用薬・処置材料等35万円6.4%
人件費看護師1〜2名・医療事務2〜3名110万円20.3%
地代家賃20坪テナント(駅前・商業施設内)35万円6.4%
検査委託費病理・血液検査の外注10万円1.8%
リース料機器の一部リース8万円1.5%
減価償却費内装(15年)・機器(6年)24万円4.4%
広告宣伝費WEB集患(美容系含む)15万円2.8%
その他経費水道光熱・通信・消耗品・保険等37万円6.8%
経費合計274万円50.5%
営業利益(院長報酬・税引前)269万円49.5%
院長の手取りキャッシュの目安(税引前)
営業利益 269万円 + 減価償却費 24万円 − 借入返済 約30万円 = 月 約263万円
※ここから所得税・住民税・国保/医師国保等が差し引かれます。
損益分岐点

1日31人が「黒字の壁」

固定費(人件費・家賃・償却等)を回収できる患者数が損益分岐点です。皮膚科クリニックの本モデルでは月672人、1日あたり約31人。開業後は「まずこのラインまで何ヶ月で到達するか」が事業計画の核心になります。

1日あたり患者数(0〜84人)
損益分岐点 31人
安定期目標 65人
立ち上がり期(開業6〜12ヶ月)は分岐点を下回るのが通常です。その間の赤字を支えるのが運転資金(800万円)です。
経営の要点

皮膚科開業 成功のポイントとリスク

成功のポイント

  1. 皮膚科は1日60〜80人の薄利多売型です。受付〜診察〜会計の動線設計と予約システムで「回転力」を作ることが収益性に直結します。
  2. 保険診療で患者基盤を固めた後、シミ・脱毛・AGAなどの自由診療を上乗せすると、利益率を大きく改善できます(本モデルには自由診療を含めていません)。
  3. 開業資金が他科より軽く、損益分岐点も早期に到達しやすいため、自己資金が限られる先生にも取り組みやすい科目です。

注意したいリスク

  1. 駅前・商業地は視認性と引き換えに家賃が高く、患者数が伸びない場合の固定費負担が重くなります。
  2. 美容皮膚科に最初から重心を置くと、広告費・機器投資が先行して資金計画が崩れがちです。保険診療の基盤づくりが先です。
  3. 花粉症・乾燥の季節変動があり、夏場は患者数が2〜3割落ち込む傾向があります。

この数字を、先生の計画に置き換えてみませんか

本ページのモデルはあくまで標準値です。立地・坪数・スタッフ構成・診療方針が変われば、損益は大きく変わります。湯沢会計事務所は医業経営支援30年超の実績をもとに、事業計画書の作成、日本政策金融公庫・銀行からの資金調達、保健所・厚生局の開業手続まで一貫してサポートします。開業前のご相談は無料です。

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