診療科目別 損益モデル

精神科・心療内科クリニック開業の
収支はこう組み立てる

うつ・不安・睡眠障害など外来中心の精神科・心療内科クリニックの標準モデルです。大型医療機器が不要で内装も小規模なため、診療科の中でも開業投資が小さく、固定費比率の低い高収益構造が特徴です。テナント開業(20坪)を想定しています。

想定月商(安定期)
363万円
単価5,500円 × 30人/日 × 22日
開業資金の目安
4,000万円
内装工事は坪90万円で算定
損益分岐点
17人/日
これを超えた患者数が利益になる
資金計画

開業資金の目安 ── 4,000万円

テナント開業・約20坪を想定。大型医療機器が不要なため、診療科の中でも投資は小さめです。内装工事費は坪単価90万円で算定しています。自己資金2割+金融機関借入8割(約3,200万円・10年返済)が標準的な調達構成です。

項目金額
内装工事費(約20坪 × 坪90万円)設計監理料含む概算1,800万円
医療機器・什器(心理検査・PC・自律訓練機器 等)大型医療機器は不要300万円
電子カルテ・什器・備品レセコン・予約システム・待合家具等350万円
敷金・保証金・仲介手数料敷金保証金(家賃8〜10ヶ月)+仲介手数料等350万円
運転資金立ち上がり期6ヶ月分の固定費900万円
広告宣伝・採用・開業諸費用内覧会・求人・各種手続費用300万円
開業資金 合計4,000万円
収益モデル

月商の組み立て方

クリニックの月商は「診療単価 × 1日患者数 × 月間診療日数」のかけ算です。精神科・心療内科の標準値で計算すると以下のとおりです。1人あたりの診療時間が長いぶん、患者数は他科より少なめが標準です。

平均診療単価
5,500円
×
1日平均患者数
30人
×
月間診療日数
22日
=
想定月商
363万円
月次損益

月次損益モデル(安定期・開業2〜3年目)

個人開業・テナント・院外処方を前提とした、安定期の標準的な月次損益です。大型機器の償却が小さく、固定費が軽いのが特徴です。

科目月額対月商比
医業収入363万円100.0%
医薬品・診療材料費院外処方を前提。少量8万円2.2%
人件費看護師1名・受付/事務2名95万円26.2%
地代家賃20坪テナント40万円11.0%
検査委託費心理検査・血液検査等の外注4万円1.1%
リース料電子カルテ等の一部リース5万円1.4%
減価償却費内装(15年)・機器(6年)18万円5.0%
広告宣伝費WEB・看板等8万円2.2%
その他経費水道光熱・通信・予約システム・消耗品・保険・会費等31万円8.5%
経費合計209万円57.6%
営業利益(院長報酬・税引前)154万円42.4%
院長の手取りキャッシュの目安(税引前)
営業利益 154万円 + 減価償却費 18万円 − 借入返済 約27万円 = 月 約145万円
※ここから所得税・住民税・国保/医師国保等が差し引かれます。
損益分岐点

1日17人が「黒字の壁」

固定費(人件費・家賃・償却等)を回収できる患者数が損益分岐点です。精神科・心療内科の本モデルでは月約370人、1日あたり約17人。大型機器の償却負担が小さいぶん固定費が軽く、他科より低い患者数で黒字化できるのが特徴です。

1日あたり患者数(0〜39人)
損益分岐点 17人
安定期目標 30人
立ち上がり期(開業6〜12ヶ月)は分岐点を下回るのが通常です。その間の赤字を支えるのが運転資金(900万円)です。
経営の要点

精神科・心療内科開業 成功のポイントとリスク

成功のポイント

  1. 精神科・心療内科は外来需要が伸び続けています。駅近で通いやすい立地に、平日夜間や土曜の診療枠を設けることで、働く世代の通院患者を着実に積み上げられます。
  2. 1人あたりの診療時間が長いため、時間帯予約とWeb予約システムの導入が必須です。待ち時間の不満を抑えながら、回転と満足度を両立できます。
  3. 自立支援医療(精神通院)の指定、産業医活動や臨床心理士によるカウンセリングとの連携で、継続通院と紹介の入口を複数持てます。

注意したいリスク

  1. 医師の診療時間がそのまま収益の上限になりやすく、医師1人では月商に天井があります。常勤・非常勤医の増員計画が拡大の鍵になります。
  2. 予約のキャンセル・無断キャンセルが多いと収益が安定しません。リマインドや予約ルールの設計が欠かせません。
  3. 立ち上がり期は認知度が低く、損益分岐点(1日17人)への到達に時間がかかることがあります。Web集患と紹介ルートの確保が重要です。

この数字を、先生の計画に置き換えてみませんか

本ページのモデルはあくまで標準値です。立地・坪数・スタッフ構成・診療方針が変われば、損益は大きく変わります。湯沢会計事務所は医業経営支援30年超の実績をもとに、事業計画書の作成、日本政策金融公庫・銀行からの資金調達、保健所・厚生局の開業手続まで一貫してサポートします。開業前のご相談は無料です。

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