経営分析とは、感覚ではなく数字で自院の状態を把握し、次の打ち手を決めることです。難しい統計は要りません。毎月「同じ数字」を「分解して」「推移で」見るだけで、十分に機能します。このページでは、医業経営支援30年超の湯沢会計事務所が、医業収入の分解の仕方から、見るべき経営指標、推移・比較の読み方、そして月次決算・資金繰りの回し方までを、実務に沿って解説します。
クリニックは、診療に追われるうちに1年が過ぎてしまいがちです。気づいたときには「忙しいのにお金が残らない」「人件費が重い気がするが適正なのか分からない」という状態に陥ります。経営分析は、その「なんとなく不安」を具体的な数字と原因に置き換える作業です。
クリニックの医業収入は、たった3つの掛け算に分解できます。「どの数字が動いたのか」が分かると、打ち手が一気に具体的になります。
下表が、クリニックでまず押さえたい経営指標です。すべてを毎月見る必要はありません。自院の課題に合わせて3〜5個に絞り、定点観測します。
| 分析の視点 | 主な指標 | 目安・見方(クリニックの一般例) |
|---|---|---|
| 収益性 | 医業利益率、保険/自費の構成比 | 固定費(家賃・人件費・リース)を賄えているか。自費比率の推移 |
| 患者動向 | 1日平均患者数、新規/再診比率、レセプト枚数 | 前年同月比で見る。新規・再診のバランス |
| 単価 | レセプト単価、患者1人あたり収入 | 算定漏れ・施設基準の取得状況を反映 |
| 人件費 | 人件費率(対医業収益) | 目安20〜30%(院長報酬除く)。超過が続くなら体制の見直し |
| 医薬品・材料費 | 医薬品費率 | 診療科で大きく異なる。在庫・廃棄ロスの管理 |
| 損益分岐点 | 損益分岐点患者数 | 「1日何人来れば赤字にならないか」。返済額に直結 |
| 安全性 | 手元現預金(月商比)、借入返済比率 | 手元資金は月商の2〜3ヶ月分を確保したい |
指標は「絶対値」より「動き」が大切です。単月の数字だけを見て一喜一憂しないための、3つの見方です。
分析の効果は「スピード」で決まります。年1回の確定申告で1年分をまとめて振り返るのでは、気づくのが遅すぎます。
分析は、レポートを作って満足するためのものではありません。次の行動を決めて、初めて意味を持ちます。課題別の代表的な打ち手を整理します。
| 分析で見えた課題 | 主な打ち手 |
|---|---|
| 患者数が伸びない | 広告・MEO・口コミ対策、診療日・診療時間の見直し、再診率(離脱)の改善 |
| 単価が低い | 算定漏れの点検、施設基準の届出、自由診療の導入、検査・処置の院内完結 |
| 人件費が重い | シフト・人員配置の見直し、業務効率化(DX)、評価・給与制度の整備 |
| 利益は出るが現金が残らない | 資金繰り表の作成、借入の返済計画見直し、納税・賞与の事前準備、節税・法人化の検討 |
| そもそも数字が把握できない | レセコン・会計データの月次化、顧問税理士による月次レポートの導入 |
湯沢会計事務所は医業経営支援30年超。毎月の試算表を「ただ作る」だけでなく、患者数・単価・人件費率・損益分岐点・資金繰りまでを読み解く月次経営レポートをご提供し、課題と打ち手を院長と一緒に考えます。同規模クリニックとの比較データもご用意しています。「自院の数字が普通なのか知りたい」という入口のご相談も歓迎です。初回相談は無料です。
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