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開業・法人化をお考えの先生へ 最終更新:2026年6月

一般社団法人を利用したクリニック開業・経営

「クリニックを持ちたいが、いまの勤務先を辞めるのは難しい」「オンライン診療だけで開業したい」「医療法人にしたが規制が多くて使いづらい」── そんな先生に、もう一つの選択肢が一般社団法人の活用です。一般社団法人は医療法人のような多くの規制がなく、使い方次第でクリニック経営の選択肢を大きく広げられます。本ページでは、その仕組みと注意点を医業専門の視点で解説します。ただし可否は個別の事情・各自治体(保健所)の判断により異なるため、必ず専門家とご確認ください。

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勤務継続・オンライン・組織変更
1. 基礎

一般社団法人とは/医療法人・個人開業との違い

一般社団法人は登記のみで設立できる法人で、医療法人に課せられる数多くの規制がないのが大きな特徴です。クリニックの開設者になることもでき、使い方によって経営の自由度が高まります。

医療法人にはあるが、一般社団法人には「ない」規制

  • 理事長の医師・歯科医師要件:医療法人の理事長は原則として医師・歯科医師であることが求められますが、一般社団法人にはこの要件がありません。
  • 毎年の純資産(資産総額)の登記:医療法人は毎年の純資産(資産総額)の登記が必要ですが、一般社団法人にはこの義務がありません。
  • 都道府県への決算等の届出:医療法人は毎年、都道府県へ決算等の届出が必要ですが、一般社団法人にはこの義務がありません。
  • 定款変更時の都道府県知事の認可:医療法人は定款変更に都道府県知事の認可が必要ですが、一般社団法人は不要です。
  • MS法人との一定取引の報告義務:医療法人はMS法人(メディカルサービス法人)との一定の取引について報告義務がありますが、一般社団法人にはこの義務がありません。

このように、一般社団法人は医療法人に比べて行政手続きや報告の負担が軽く、運営の自由度が高い点が特徴です。一方で、開設にあたっては医療法・保健所の取扱いを満たす必要があり、自治体ごとに判断が異なる点には注意が必要です。

下表は、個人開業・医療法人・一般社団法人を主な観点で比較したものです(一般的な整理であり、個別の取扱いは異なります)。

観点個人開業医療法人一般社団法人
設立開設届のみ都道府県の認可が必要登記のみで設立可
理事長の医師要件―(本人が医師)原則ありなし
毎年の純資産登記なしありなし
都道府県への決算届出なしありなし
定款変更の知事認可必要不要
MS法人取引の報告なしありなし

※上表はあくまで一般的な比較です。クリニック開設の可否や具体的な取扱いは、医療法令や各自治体・保健所の判断によって異なります。

2. 勤務継続

病院に勤務しながらのクリニック経営

「いまの勤務先を辞めずに、自分のクリニックも持ちたい」── 一般社団法人を使うと、勤務を続けながらクリニックを経営する道が開けます。

仕組み

  • 開設者:一般社団法人
  • 代表理事:経営する医師(大学教授・病院勤務医など)
  • 院長:常勤医師(病院以外で勤務する医師)

メリット

  • 今の地位のまま勤務しながら収益を得られる:現在の勤務先で今の地位を保ったまま勤務を続けつつ、クリニックの収益を得ることができます。
  • 非常勤医師を確保しやすい:勤務先の医師ネットワークを活かして、クリニックの非常勤医師を確保しやすくなります。
  • 将来の移行がスムーズ:将来、病院を退職した後に、リスクを抑えながら自身のクリニック経営へ移行していくことができます。
3. オンライン

オンライン診療での開業

近年広がる「オンライン診療のみのクリニック」も、一般社団法人を活用して開設することが可能です。

仕組み

  • 開設者:一般社団法人
  • 代表理事:経営する医師
  • 院長:経営する医師本人(病院勤務医との兼任も可能。勤務時間以外の時間を診療時間にすることで院長になることができます)

この仕組みにより、流行している「オンライン診療のみのクリニック」も開設することが可能です(→オンライン診療で開業)。

ご注意:オンライン診療を含むクリニック開設の取扱いは、各保健所によって異なります。同じスキームでも認められるかどうかは地域・窓口の判断によりますので、開設の前に必ず管轄の保健所への事前確認と、医業に精通した専門家への相談を行ってください。
4. 組織変更

医療法人を一般社団法人に組織変更する

「法人化したが、思ったより制約が多い」── すでに医療法人で開設されている方にも、一般社団法人への組織変更という選択肢があります。

  • 医療法人は規制が多い:前述のとおり、医療法人には理事長の医師要件・毎年の純資産登記・都道府県への決算届出・定款変更の知事認可・MS法人取引の報告など、多くの規制があり、「使い勝手が悪い」と感じる方も少なくありません。
  • 一般社団法人にはそうした規制がない:一般社団法人には、これらの規制がありません。そのため、運営の自由度を求めて一般社団法人を選ぶケースが増えています。
  • 法人化の選択肢として増えている:近年は、法人化の際に医療法人ではなく一般社団法人を選ぶ方が増えています。
  • すでに医療法人でも遅くない:すでに医療法人で開設された方も、一般社団法人への組織変更は可能です。「もう法人化してしまったから」とあきらめる必要はありません。

どの法人形態が適しているかは、診療体制・将来構想・税務・承継など多くの要素によって変わります。組織変更には個別の検討が必要なため、まずはご相談ください(→医療法人設立一般社団法人の活用)。

5. 注意

進める際の注意点

一般社団法人の活用は選択肢を広げますが、医療法・保健所の取扱いを満たすことが大前提です。次の点に十分ご留意ください。

必ずお読みください:医療法・保健所の取扱いは地域によって異なり、開設許可・非営利性・運営の適正性など、関係法令の遵守が大前提です。本ページで紹介したスキームが必ず使えるとは限らず、その可否は個別の事情や各自治体(保健所)の判断によるものです。安易な節税目的や形式だけの仕組みは認められないことがあります。実行にあたっては、必ず医業に精通した専門家とともに、管轄の保健所等に確認しながら進めてください。
6. サポート

湯沢会計事務所のサポート内容

一般社団法人を活用したクリニック開業・経営は、法人形態の選択だけでなく、立地・資金・集患まで含めた総合的な設計が成否を分けます。当事務所は開業から経営まで一貫してサポートします。

  • 開業場所の選定:診療圏調査をふまえた立地・物件の検討をサポートします。
  • 資金調達:事業計画の作成から金融機関との交渉まで、開業資金の調達を支援します。
  • 集患まで一貫サポート:開業後の集患・経営軌道に乗せるところまで、数字の面から伴走します。
FAQ

よくあるご質問

Q. 病院に勤務医のままでも開業できますか?

一般社団法人を開設者とし、ご自身を代表理事、別の常勤医師を院長とする形であれば、現在の勤務を続けながらクリニックを経営する仕組みをとることが可能です。ただし開設の可否は医療法・保健所の取扱いや各自治体の判断によって異なるため、必ず事前にご確認ください。

Q. オンライン診療だけのクリニックは作れますか?

一般社団法人を開設者とし、勤務時間以外を診療時間にあてることで、ご自身が院長を務めるオンライン診療のみのクリニックを開設することも可能です。ただし取扱いは各保健所によって異なるため、管轄の保健所への事前確認が必要です。

Q. すでに医療法人ですが一般社団法人に変えられますか?

はい、医療法人から一般社団法人への組織変更は可能です。「もう法人化したから遅い」ということはありません。診療体制や将来構想、税務・承継などをふまえた個別の検討が必要ですので、まずはご相談ください。

一般社団法人で、クリニック経営の選択肢を広げる

勤務しながらの開業、オンライン診療での開業、医療法人からの組織変更── 一般社団法人を使えば、これまで難しかった経営の形が実現できる場合があります。ただし可否は医療法令や各自治体・保健所の判断により異なります。湯沢会計事務所は医業経営支援30年超。開業場所の選定から資金調達・集患まで、先生の状況に合わせて一貫してサポートします。初回相談は無料です。

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